ゆとり教育が始まったのは、あなたのせいです。
おはよーございます。
小学校で教えています。
僕はいわゆるゆとり世代(1987~2003生まれ)です。
「これだからゆとりは・・・」
「ゆとり世代は使えない」
なんて言葉を、ゆとり世代以前の方々から頂戴するのですが。
いや、お前らのせいで始まったからな?
と思っています。
今回の記事では
・ゆとり教育とは何か
・なぜ始まったのか
について書きたいと思います。
1.ゆとり教育で何が変わった?
以前と比べて変わった点は主に3つです。
●授業時間数の大幅な削減
●ゆとりの時間(1998~は総合的な学習の時間)
●土曜授業の廃止
土曜授業に関しては、労働時間の短縮が叫ばれていた社会情勢も
あったので、その影響ともいわれています。
2.成績は上がった?下がった?
結論から言うと、
上がったとも、下がったとも言い切れない
です。
世界規模で行われている学力調査は
●PISA(学習到達度調査)
●TIMSS(数学理科教育動向調査)
の2つがあり、この結果をもとにした論文が
大量にあります。
例えば
2011年のTIMSSでは過去最高成績を記録し、
脱ゆとりの成果だと盛り上がりました。
しかし、2019年度のPISA調査では、
脱ゆとり教育を受けた世代の結果として注目されましたが
「読解」「科学」「数学」など様々な分野での国際順位が下がりました。
まとめると、ゆとり教育で学力の上昇と低下が
どちらも起こっているから、ゆとり教育の評価はできない。
とういことです。
3.そもそもなぜ始まった?
ゆとり教育以前は”詰め込み教育”がなされていました。
知識偏重で、「なぜそうなるのか」という
疑問を持つ視点や創造力の欠如が批判されました。
ゆとり世代をバカにしてくる大人たちは
暗記ばかりで疑問を持つ力が育たなかったんです。
「なぜゆとり教育が始まったのか」
「今までの教育には欠点があったのではないか」
と、考える力が無いんでしょう。
これによって
校内暴力・非行・いじめ・不登校・落ちこぼれ
などが増加し、社会問題になりました。
(1996年7月19日 中央教育審議会 第一次答申)
つまり、昭和後期の世代が学校で荒れ果て、
「もっとゆとりを持とう」
って始まったのがゆとり教育です。
当時の保護者・教師・経済界の有識者は
みんな大賛成だったんです。
4.なぜ失敗した?
そもそも失敗したとは思っていませんが
批判の声がたくさんあがりました。
それにちょっとツッコミます。
①国際学力テストで順位を落とした
これは先ほども述べましたが、すべての順位が下がったわけでもなく。脱ゆとり世代の順位もそれほど上がっていないのでこの批判は間違っています。
また、調査に参加する国が増えたというのも一つの要因でしょう。
②円周率が3!計算力が落ちる!
僕は3.14で習いましたし、台形の公式もやりました。
では誰が言い始めたと思いますか?
塾業界です。
日能研「小学校では円周率をおよそ3で教えている」
栄光ゼミナール「イタリアの勉強時間は日本よりもっと長い」
(国際調査でイタリアの成績はかなり下位)
ゆとり教育のスタートは、塾業界にとってビジネスチャンスなのです。
詰め込み教育で育った保護者の不安をあおることで、
顧客を獲得するわけです。
5.まとめ
ゆとり世代はそもそも、それ以前の世代に
問題があったために始まりました。
また、ゆとり世代を育てたのは当時の大人たちです。
目先の利益を追求した塾業界も、その責任の
一端を担っているはずです。
この事実をわかった上で言って頂きたいなと
ゆとり世代の1人は思っています。
ありがとーございました。